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公益財団法人市民防災研究所 公式ブログ

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高齢者と障害者の複合施設で実施した福祉避難所開設訓練を支援しました

当研究所では、令和元年度、昨年度に引き続き、都内の自治体から福祉避難所開設訓練の運営業務を受託し、訓練の企画・運営を支援しました。

今回の訓練は、高齢者施設と障害者施設の複合施設で福祉避難所開設訓練を実施しました。

同自治体では、地域防災計画で高齢者施設は福祉避難所[介護型]、障害者施設は福祉避難所[通所型]を設置することが定められていて、それぞれ設置する訓練をしました。

訓練は、大地震発生直後の初動対応から福祉避難所の開設準備、避難者の受入までの手順を確認し、施設に備蓄されているダンボールベットやラップ式トイレの組み立てなども実際に行いました。

避難者の受入訓練では、障害者施設に通所している家族の方に避難者役として参加してもらい訓練を実施しました。また、高齢者施設では、自治体からの要請によって避難者を受け入れる場合と直接施設に避難してきた場合を想定した受入訓練を行いました。

障害者施設は主に通所者を対象としていますが、高齢者施設の場合には原則自治体から受入要請があった避難者を受け入れます。しかし、高齢者等が直接施設に避難してきた場合は、スクリーニングをして受入可否を決めることが求められますが、判断する施設職員の精神的負担が大きく、その判断の難しさを感じていました。

多くの自治体では、福祉避難所は二次避難所という位置づけがほとんどです。しかし、福祉避難所に直接避難できる仕組みも検討しておくことが必要です。

例えば、災害時個別支援計画の中で、一次避難所として福祉避難所(高齢者施設)に避難することを定めた人は直接避難することができるようにするなど、一次避難所として福祉避難所に直接避難できる人の選択をあらかじめ行っておくことも必要ではないかと思います。

訓練終了後に参加者を対象にアンケートを行いました。参加者のほぼ全員が今回の訓練が「大変役立った」又は「役立った」と回答しました。また、参加者の全員が来年度以降も引き続き、福祉避難所開設訓練を実施することが必要だと回答しました。

実際に訓練をすることで、福祉避難所への理解を深めて職員の意識を高めることにつながります。とにかく訓練をやってみることが大事です。

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福祉避難所開設訓練を支援しました~訓練に向けた検討事項を紹介~(2019/05/28)

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