【現地調査報告】平成28年熊本地震
平成28年4月14日(木)、午後9時26分ごろ、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生し、益城町で震度7の激しい揺れを観測しました。またその翌々日16日(土)、午前1時25分ごろ、再び同地方を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生し、益城町と西原村で震度7を観測、再び激しい揺れに見舞われました。
当研究所では4月19日(火)と20日(水)の2日間、被害の大きかった熊本県益城町と西原村を中心に現地調査を行いました。
(1)震度7の衝撃
・14日の地震で自宅が被害を受け、自宅前の駐車場で車中泊をしていた。16日未明に再び震度7の地震が起き、そのとき車中泊していた車が激しい揺れで飛びはね、停車していた約1メートル先のブロック塀に衝突した。
(2)家具の置いてない部屋で就寝、命を守ることができた
・西原村にある築約110年の平屋建ての住宅、2年前までは家具が転倒した部屋で就寝していたが、今は家具のない部屋で寝ていたので命は助かった。
(3)避難所運営
・熊本市の小学校の避難所。教職員が8時間ごとに交代で勤務して24時間避難所運営に従事している。
・ピーク時は約2千人が避難していたが、誰が避難しているか把握しておらず、避難者の問い合わせがあっても「○○さん、いますか?」と呼びかけるのみ。
・他自治体から派遣されてきた給水車が来て、教職員も給水活動を手伝った。給水車には約2千人の長蛇の列ができ、当初は給水量を決めずに欲しい量だけ給水していたが列がほとんど進まない。そこで途中から一人4リットルに制限したが、非難の嵐にあいルールもあやむやになる。一人でいくつもの容器を持ってくるので、当初から給水量を制限して、必要ならまた並んでもらうようにすれば良かった。
・トイレを流すのはプールの水を利用している。当初は教職員で運んでいたが、避難者にも協力をお願いし、今ではトイレ掃除も協力してもらいうまくいっている。
・たくさんの水で小便を流している避難者がいて、それを見ていた人との間でトラブルが起きた。
・仮設トイレが設置されたのが1基のみで、仮設トイレがすぐ届くシステムがあるといい。
(4)消防団の活躍、村民の安否確認から不審者対策まで
・西原村の消防団は集落ごとに班があり、16日の地震後、ただちに全戸の安否確認を行い、行方不明者情報も含めて朝方には全村民の安否確認を終えた。
・玄関ドアが変形して開かずに外に脱出できないなど、二十数名が生き埋めとなり救助活動を行った。幸いにも火災が発生しなかったので、救助に専念することができたのが救いだった。
・不審者情報も多く、消防団が昼夜警戒をし、不審者がいると声かけをしている。
(5)建物被害
(6)その他被害